日本の子供たちが、英語を身につけて ミライに羽ばたくために。

2022.11.07

脳科学で明らかになった、英語習得にとって「英語を使う環境」が大切な理由 〜東北大学 鄭 准教授インタビュー(後編)〜

脳科学で明らかになった、英語習得にとって「英語を使う環境」が大切な理由 〜東北大学 鄭 准教授インタビュー(後編)〜

東北大学 鄭 嫣婷 准教授への取材記事の後編です。

今回は、日本で英語を使う環境をつくるときに考えるべきポイントについてご紹介します。

【目次】

 

環境づくりのポイント①相手からのフィードバックを予想しながらことばを使う

―日本の英語教育では、スピーキングの学習目標が「発表」と「やりとり」に分かれています。発表とやりとりでは、脳の働きも異なるでしょうか?

2011年に出版した論文(Jeong et al., 2011)が少し参考になると思いますので、紹介します。

この研究では、やりとりの相手がいない状況でスピーキングをするとき(録画動画条件)と、やりとりの相手がいる状況でスピーキングをするとき(対面条件)(※6)で、脳の活動がまったく違うことがわかりました。

言語コミュニケーションに関与する脳領域の図

やりとりの相手がいない場合は、母語から第二言語に翻訳したことばを組み立てて産出する、という単なるスピーチの活動で終わります。一方向のコミュニケーションですね。

一方、やりとりの相手がいる場合は、「(自分が発言したら)うなずいてくれるだろうな」など、その人が何かフィードバックしてくれることを常に頭の中で想定したり予想したりしながら次に言うことばを準備して発します。ですから、実際には自分が何か言ったときに相手からフィードバックがなくても、やりとりの相手がいると、社会認知に関わる脳領域を使うんです。これは双方向のコミュニケーションになります。

実際の言語コミュニケーションでは、人の気持ちを読む、ことばを組み立てる、そして、いまの状況で的確なことばを発する、というような活動が必要です。スピーチ産出のための脳領域と社会的な能力に関わる脳領域は、かなり並行して活動するので、英語を使ってコミュニケーションできるようになるためには、双方向のやりとりを経験して慣れていくことが大切です。

 

―すると、「発表」という活動にはどのような効果があるでしょうか?言語習得にとっての効果を高めるために工夫できることはありますか?

発表は、単なるスピーチ産出活動とは少し違います。なぜなら、「相手に伝えたい」という目的があるからです。

言語を習得するためには、何か目的があって言語を使うことが非常に重要なので、その点では、発表は良い活動だと思います。

ただ、発表して終わり、という活動だと、相手から反応が来ることを想定して次のことばを準備する、ということをしないので、一方向のコミュニケーションで終わってしまいます。ですから、人とのやりとりで英語を使う力を伸ばすためには、発表を聞いている人から質問を受け付けたり、相手からフィードバックがある状況にしたりするなど、双方向のやりとりがあるような発表活動にすることが重要だと思います。

対面条件が第二言語口頭能力に影響を及ぼすイメージ

 

環境づくりのポイント②ことばだけではなく「感覚」のフィードバックがある

―いまお伺いした実験では、対面ではなくオンライン(ビデオ通話)のやりとりであっても、社会認知の能力が使われていて効果的な学習な方法になっていた、ということです。双方向のやりとりは、対面ではなくもよいのでしょうか?

ことばは、人の顔を見たりして感覚情報を捉えながら学ぶので、もちろん対面のほうが良いです。でも、それができなければ、相手の顔が見られたり相手からのフィードバックがあったりするビデオ通話でも補うことができますし、音声でやりとりできる電話でも効果があると思います。

そのように考えると、効果的な学習方法を「やりとり」という面から見ると、目的があって言語を使うこと、そして、フィードバックがあることが非常に重要なポイントであると考えます。

 

―具体的にどのようなフィードバックがあると効果的なのでしょうか?

フィードバックには、ことばのフィードバックと感覚のフィードバックがあります。やりとりのときに、両方のフィードバックがあればとても良いですね。

例えば、オンラインでビデオ通話をしているときには、映像という視覚情報があるので、ことばだけではなく感覚のフィードバックもあります。

 

―そのようなフィードバックがあれば、やりとりの相手は人でなくても良いのでしょうか?

子どもは人とのやりとりでは学ぶけれどもビデオでは学ばない、 ということを示した研究がありましたが、その後、3〜4歳の子どもがiPadなどのデジタル機器を使って学べるか、ということを調べた研究(Lytle et al., 2018)が行われました。

この研究によると、iPadを使って何か操作したときに、そのiPadがそれに反応して何かフィードバックがあると、子どもはそのiPadと「やりとりしている」という感覚が生まれて、学習にとって効果的である、ということです。さらにその研究では、隣にほかの子どもがいると、一緒に触りながら学習の楽しさが増して、学習効果が高まることがわかりました。

これは、言語習得において社会的な側面が非常に重要であることがわかる研究ですね。

 

―人ではなくデジタル機器であっても、自分が何かをしたときに、その行動によって何か返ってくれば効果的な学習方法になる、ということですね。

そうですね。VRを使った学習でも、そのようなフィードバックが得られると思います。

例えば、Ping Li先生(香港理工大学 教授)は、何かに触ったら動物の鳴き声が出て、その動物の名前が中国語でパッと表示される、というVR環境をつくっていました。このようなフィードバックがあるのとないのとでは、学習効果が全然違います。

また、自分が何かを動かしたときにそれが動いたという感覚になること(エージェンシー)も重要で、これも感覚フィードバックです。

さらに、自分の身体を動かしてジェスチャーをしながら第二言語を学ぶことが効果的か、ということを調べた研究(Mayer et al., 2015) もあります。5日間学習して6カ月後の学習効果を脳科学的に調べたところ、自分の身体を動かしながらジェスチャーを使って覚えたことばはほとんど記憶に残っていて、絵を見て覚えたもの、翻訳で覚えたものはかなり忘れてしまうことがわかりました。

これは、embodied cognition(本記事の前編を参照) の理論とも関係しているのですが、自分の身体を動かしたときに、その動きがただの動きではなくことばの意味の獲得に関係する情報であれば、効果的な学習方法になるということですね。

 

環境づくりのポイント③個人の能力や不安レベルに合った活動を考える

ー英語学習に限らず、学習そのものが苦手な人もいると思います。このような社会的学習は、そのような人たちにとっても効果的でしょうか?

特に感覚情報に関係する脳領域を使って学ぶことは、誰にとっても効果的だと思います。

例えば、VRを使った学習の効果を調べた研究 (Legault et al., 2019)があります。VRは、embodied cognitionの観点から考えると、自分の感覚を使って学べるという点で非常に優れています。

学習者をワーキングメモリ(作業記憶)(※7)が高い人とワーキングメモリが低い人に分けて、語彙を学習してもらう実験をしました。

結果、ワーキングメモリが高い人たちは、教室環境(通常の授業)とVR環境、どちらの学習方法でも成績が高いことがわかりました。一方、ワーキングメモリが低い人たちは、教室環境での学習だと非常に成績が低いけれど、VR環境での学習であればワーキングメモリが高い人たちと同等の成績でした。

つまり、ワーキングメモリが高い人はどちらの学習方法であっても高い成績を出せるけれど、ワーキングメモリが低い人はそうではないということです。ワーキングメモリが言語学習に関係する、ということを示した研究はかなりありますので、それを証明する研究だと思います。

ですから、言語学習があまり得意ではない人には、VR学習のような感覚を使って学ぶ環境を提供することで、それが学習の手助けになって実力を発揮できるのではないかと思っています。

 

―学校の授業で英語をなかなか覚えられない、という人にとっては、いろいろな感覚情報を得ながら学ぶ社会的学習のほうが良い可能性があるのですね。

そうですね。特に、単語を暗記するような、記憶を中心にする学習方法が苦手な人にとってはVR学習がかなり役に立つと思います。

そして、その状況で提供されている情報がことばの学習にとって邪魔になる情報であれば、むしろ時間が無駄になるかもしれませんが、学習するために重要な情報を提供することで、より記憶に定着するようにできます。

ただ、私の研究(Jeong et al., 2021)では、その状況で与えられているsocial cue(社会的手がかり)を素早くキャッチして学習できる人とそうでない人がいることがわかっています。

その個人差がどこから生まれたのか、ということはまだ明らかになっていませんが、例えば、社会認知(人の気持ちを読む)や運動(頭の中でその状況をシミュレーションする)に関わる脳領域が活動していた人たちは、学習から時間が経過したあとのテストで成績がとても良かったです。

社会的学習に向いている人、あるいは、社会的学習を好む人はどういう人なのか、ということを調べることは今後の研究課題ですね。

 

―先ほど、相手からフィードバックがある状況をつくることが大切だというお話もありましたが、そのような双方向のやりとり活動は、どのような学習者にとっても効果的でしょうか?

2015年に発表した研究(Jeong et al., 2015)を紹介したいのですが、日本人の英語学習者を対象に、英語を使うことに対する不安がどれくらいあるかを調査して、さらに双方向のやりとりをしているときと一方向のスピーチ産出をしているときの脳活動を調べる実験を行いました(※8)

私たちがコミュニケーションするときには、言語に関わる領域、人の気持ちを読むことに関わる領域、そして、自分のことばがその場面のおける社会行動として的確かどうかをモニタリングすることに関わる領域が働きます。

結果、双方向のやりとりに対してかなり不安を感じている学習者が多いことがアンケート調査でわかり、実際に双方のやりとりをしているときに、不安レベルが高ければ高いほど、自分のことばをモニタリングするための脳領域の活動が低下しました。

脳の下のほうにある、眼窩前頭皮質 [がんかぜんとうひしつ] という脳領域です。ここは、言語だけに関わっているわけではありません。例えば、人とのやりとりに強い不安を感じる人(social phobia/社交恐怖)は、この領域をうまく使えないという問題が生じています。

第二言語の使用に不安を感じると眼窩前頭皮質の活動が低下するイメージ

日本人学生が英語を話すときにそのような状況になる理由の一つは、やはり英語を使って人とやりとりする経験がないことだと思います。ですから、英語教育でやりとりの活動を増やす必要がありますよね。

ただ、不安のレベルには個人差があるので、不安レベルがすごく高い人にとっては、いきなりネイティブ・スピーカーの人とやりとりすることは怖いと思います。これをどうやって手助けしてあげるのか、ということも考えなければいけません。例えば、やりとりに慣れるようにするために、アバターやVRを使うことができるかもしれませんね。

やりとりするときには、その個人が英語についてどう考えているのか、英語を使ったことがあるかどうかという経験なども、非常に重要なポイントです。先ほどお話しした、ワーキングメモリのような特徴に合わせた学習方法を考えることも大事ですが、第二言語話者の感情も個人差として扱って、学習を手助けする方法を考えて研究する必要があると思っています。

 

―英語を使うことに対する不安が高いと、コミュニケーションに必要な脳領域がうまく働かない、というのはとても興味深いです。すると、本来の「双方向のやりとり」を経験させるためには、まずはできる限り不安を感じさせないような活動で慣れさせる必要がありますね。

そうですね。あと、日本の文化も関係しているかもしれません。一緒に共同研究をしたり私の外国語不安に関する研究発表を聞いたりしたヨーロッパの研究者からは、「英語を話すときに不安を感じるってどういうことなのかわからない」、「本当にそんなに不安を感じるの?」という反応をされます。

個人的な経験なのでわかりませんが、ヨーロッパの方は言語に対する不安のレベルが低いのかなと思っています。

あるいは、日本の教育も関係しているかもしれませんね。英語は常にテストで評価されるので、失敗したら恥ずかしいし、間違いたくない、という気持ちになりやすいです。東北大学の学生も、書く力は素晴らしいのですが、「話してください」と言うと、躊躇したり、自分の英語力を本来の能力よりも低く評価したりします。

英語を使ってやりとりすることは楽しいと感じられるような経験をさせたり、「あなたは英語ができるんですよ」と思わせたりすることも重要ですね。

 

第二言語習得の脳科学的研究は、異なる分野の研究者がアイデアを出し合うことが大切

―最後に、今後予定されている研究活動について伺いたいです。

社会的相互作用に関して、いろいろな切り口から研究したいと思っているのですが、まずは、記憶に関する研究ですね。

第二言語の知識には、意識的に使う明示的知識と無意識的に使う暗示的知識の2種類があることが知られていますが(※9)、社会的に学んだことばがどのような知識と結びつくのか、ということです。日本では、鈴木 祐一先生(神奈川大学 准教授)がこの分野について研究されていて、一緒に取り組んでいます。

また、いままでは語彙などに限定して調べていましたが、文法や文のprosody(韻律)など、言語の別の要素を社会的に学んだときにどうなるか、ということも研究したいです。

 

―第二言語習得と年齢の関係について調べていると、最近は暗示的知識や明示的知識の話がよく出てくるので、脳科学的な解明が進むことはとても楽しみです。ほかにはどのような研究を予定されていますか?

もう一つの方向性としては、学習するときのmodality(様式)によって学習効果が違うのか、ということを調べたいと思っています。

例えば、「やりとり」という学習方法は、スピーキングに限られてしまうことが多いのですが、ライティングやSNSのチャットなど、いまはさまざまなmodalityでやりとりができます。そのようなやりとりが言語習得に与える影響は口頭でのやりとりと同じようなものなのか、あるいは、特殊なものなのか、ということです。

いまはMRI(磁気共鳴画像法)の中で実際にライティングをしてもらう、という実験もできるようになったので、そういうことも今後調べていく予定です。

そのために、task-based learning(タスクに基づいた学習)についての研究や、スピーキングやライティングのフィードバックに関する研究をされている国内外の研究者、例えばAndrea Revesz先生(ユニーバーシティ・カレッジ・ロンドン 教授)や鈴木 渉先生(宮城教育大学 教授)などと一緒に共同研究を進めています。

 

―さまざまな分野の研究者の方々と一緒に共同研究を進めていらっしゃるのですね。

特に私が興味をもっているのは、どうして第二言語は第一言語のようにならないのか、どのような学習条件であれば第二言語が第一言語のようになるのか、ということです。そして、私もその一人ですが、第二言語を学ぶのに苦労している人をどのように手助けできるのか、ということを引き続き研究していきたいと考えています。

第二言語を効果的に教える方法は、やはり現場で教えている先生のほうがアイディアをたくさん持っていらっしゃるので、私たちの研究室は、そのような先生方との共同研究を積極的に進めています。

私たちはNIRS(近赤外分光法)の装置(※10)を使って授業中の生徒や教師の脳活動を教室で測ることもできます。例えば、生徒同士あるいは教師と生徒の反応がどれくらいシンクロするのか、協働作業や身体を動かす活動など、活動内容によって脳に違いが出るのか、ということも調べられるんです。

特に脳の研究は、一人でできるものではありませんから、研究者同士がアイデアを交換しながら学際的研究をすることが非常に大事だと思います。

 

おわりに:日本でも効果的な「英語を使う環境」をつくれる可能性が高まる

「文法訳読法(Grammar-Translation Method)」は、19世紀半ばから実践されてきた伝統的な外国語の教え方です。主に、外国語を母語に、または母語を外国語に訳す活動を通して語彙や文法などを学びます。

その後、このような教え方の効果は疑問視されるようになり、さまざまな指導方法が考案されてきました。

1980年代には、「コミュニカティブ・ティーチング(Communicative Language Teaching: CLT)」が登場します。実際のコミュニケーションに近い場面や状況、目的などを設定した活動を経験させることで、言語を運用する力(コミュニケーション能力)を伸ばすことができる、という考え方です(赤松, 2018)。

現在の日本の英語教育は、このCLT(「コミュニカティブ・アプローチ」とも呼ばれる)から大きな影響を受けていると考えられています(和田, 2017)。

鄭教授の研究からは、少なくとも語彙に関しては、単に母語に訳して覚える学習方法よりも、実際にことばが使われる環境の中で覚える学習方法のほうが記憶に定着し、いろいろな場面で素早く正確に使えるようになることがわかりました。

その理由が脳科学的に解明されてきていることは、日本の英語学習者、英語教師にとって大きな意義があります。なぜなら、日常生活で英語を使う機会がない日本であっても、周囲の環境からことばを学ぶときと同じ脳領域が働くような学習方法・活動内容を考案すれば、効果的な「英語を使う環境」をつくることができるからです。

さらに、「英語を使う環境」をつくるときには、個人差を考慮した工夫が必要であることもわかりました。社会的学習は、暗記を中心とした学習が苦手な人にとって手助けになる一方で、社会認知が苦手な人や英語を使うことに対する不安が大きい人にとっては、単に「人とのやりとり」を経験させるだけでは効果が限られる可能性があります。

この分野の研究がさらに進んで、映像やビデオ通話、デジタル機器、ゲーム、VR、AIなど、さまざまな技術も活用しながら一人ひとりに合った社会的学習の環境をつくれるようになれば、自信をもって英語を使える日本人を増やすことにつながるかもしれません。

なお、鄭教授とPing Li教授による研究(Li & Jeong, 2020)は、2021年に当研究所のPaul Jacobsが要約して紹介していますので、そちらの記事 もぜひご覧ください。

 

(※6)インタビューアーによる質問を事前に録画した映像を見て答える場合(一方向のコミュニケーション)と、ビデオ通話でリアルタイムにインタビューアーの質問に答える場合(双方向のコミュニケーション)の脳活動が比較された。どちらの場合も、インタビューアーは被験者の発言に対して反応したり追加の質問をしたりしない。この実験中の脳活動と、実験後に受けた英検2級の対面式スピーキングテストのスコアの相関も調べられた(Jeong, 2011)。

(※7)人が思考や行動をするときに、情報を一時的に保持して処理するメカニズムや能力。ワーキングメモリの低さは、知能や情報処理能力などに影響し、子どもが教師の指示内容を覚えたり、新しい概念を理解したりするときに困難を抱える可能性がある。発達障がいの多くは、ワーキングメモリの低さも関係している(Nelson, 2017)。

(※8)例えば、男性がギターを弾いている映像を見て、「What kind of music are you playing?」などとその男性に話しかけるタスク(双方向のやりとり)と、「He is playing the guitar now.」などとその男性が何をしているかを説明するタスク(一方向のスピーチ産出)を被験者にさせた(Jeong et al., 2015)。

(※9)言語を習得するためには、明示的知識(「動詞の過去形は~」というようにことばで説明でき、意識して使う必要がある、などの性質がある)だけではなく、暗示的知識(ことばで説明することはできないものの、自動的・無意識に使うことができる、などの性質がある)の発達が必要であると考えられている(Ellis, 2009)。

(※10)NIRSは、脳機能計測方法の一つで、MRIのように被験者の頭部や身体を完全に固定する必要がない。

 

【取材協力】

鄭 嫣婷(ジョン ヒョンジョン)准教授(東北大学大学院国際文化研究科 & 加齢医学研究所)

ジョン先生のお写真

<プロフィール>

専門は、神経言語学、認知科学など。脳科学的手法を用いて、第二言語習得の脳内メカニズムを研究している。特に、外国語の学習およびコミュニケーションにおける母語や社会認知の影響に関心をもつ。東北大学にて博士号(国際文化)を取得。日本学術振興会 特別研究員(PDとRPD)、ペンシルベニア州立大学 心理学 客員研究員、東北大学加齢医学研究所 脳機能開発研究分野 助教、東北大学大学院国際文化研究科 & 加齢医学研究所 講師を経て2019年より現職。また、東北大学新型コロナウイルス対応特別研究プロジェクト「ポストコロナ社会構築研究スタートアップ支援 Starting Grants for Research toward Resilient Society (SGRRS)〜」(2020年6月創設)に採択された研究課題の一つである、「コミュニケーションのオンライン化が個人・社会にもたらす多面的影響の認知脳科学的理解」(研究代表者:東北大学 加齢医学研究所 杉浦 元亮教授)に共同研究者として携わっている。

 

IBSサイトのバナー

 

■関連記事

社会的会話AIの研究開発から学ぶ「コミュニケーション能力」のあり方〜早稲田大学GCS研究機構 松山 主任研究員&鈴木 次席研究員インタビュー(前編)〜

VRを活用した英語教育に期待される効果や未来〜中央大学 斎藤准教授インタビュー(前編)〜

 

参考文献

Barsalou, L. W., Niedenthal, P. M., Barbey, A. K., & Ruppert, J. A. (2003). In B. H. Ross(Ed.), The Psychology of Learning and Motivation: Advances in Research and Theory (Vol. 43, pp. 43–92). Academic Press.

 

Carpenter, M., Nagell, K., Tomasello, M., Butterworth, G., & Moore, C. (1998). Social Cognition, Joint Attention, and Communicative Competence from 9 to 15 Months of Age. Monographs of the Society for Research in Child Development, 63(4), i–174.

https://doi.org/10.2307/1166214

 

Ellis, R. (2009). Implicit and explicit learning, knowledge and instruction. In Ellis, R., Loewen, S., Elder, C., Erlam, R., Philp, J., & Reinders, H. (Eds.), Implicit and explicit knowledge in second language learning, testing and teaching [eBook edition] (pp. 12-40). Multilingual Matters.

 

Jeong, H., Sugiura, M., Sassa, Y., Wakusawa, K., Horie, K., Sato, S., & Kawashima, R. (2010). Learning second language vocabulary: Neural dissociation of situation-based learning and text-based learning. NeuroImage, 50(2), 802-809.

https://doi.org/10.1016/j.neuroimage.2009.12.038

 

Jeong, H., Hashizume, H., Sugiura, M., Sassa, Y., Yokoyama, S., Shiozaki, S., & Kawashima, R. (2011). Testing second language oral proficiency in direct and semidirect settings: A social-cognitive neuroscience perspective. Language Learning, 61(3), 675-699.

https://doi.org/10.1111/j.1467-9922.2011.00635.x

 

Jeong, H., Sugiura, M., Suzuki, W., Sassa, Y., Hashizume, H., & Kawashima, R. (2015). Neural correlates of second-language communication and the effect of language anxiety. Neuropsychologia, 66, 182-192.

https://doi.org/10.1016/j.neuropsychologia.2014.11.013

 

Jeong, H., Li, P., Suzuki, W., Sugiura, M., & Kawashima, R. (2021). Neural mechanisms of language learning from social contexts. Brain and Language, 212, 104874.

https://doi.org/10.1016/j.bandl.2020.104874

 

Legault, J., Zhao, J., Chi, Y.-A., Chen, W., Klippel, A., & Li, P. (2019). Immersive virtual reality as an effective tool for second language vocabulary learning. Languages, 4(1), 13.

https://doi.org/10.3390/languages4010013

 

Li, P., & Jeong, H. (2020). The social brain of language: grounding second language learning in social interaction. npj Science of Learning. 5, 8,

https://doi.org/10.1038/s41539-020-0068-7

 

Lytle, S. R., Garcia-Sierra, A., & Kuhl, P. K. (2018). Two are better than one: Infant language learning from video improves in the presence of peers. PNAS115(40), 9859-9866.

https://doi.org/10.1073/pnas.1611621115

 

Massaro, D. W. (2012). Multimodal Learning. In N.M. Seel, (Eds.), Encyclopedia of the Sciences of Learning (pp. 2375-2378). Springer.

https://doi.org/10.1007/978-1-4419-1428-6_273

 

Mayer, K. M., Yildiz, I. B., Macedonia, M., & Kriegstein, K. V. (2015). Visual and motor cortices differentially support the translation of foreign language words. Current Biology, 25(4), 530-535.

https://doi.org/10.1016/j.cub.2014.11.068

 

Nelson C., (2017). Working memory: The information you are now thinking of. In J. H. Byrne(Eds), Learning and memory: A comprehensive reference (second edition) (pp. 147-161). Academic Press.

https://doi.org/10.1016/B978-0-12-809324-5.21040-7

 

Suchy, Y., & Holdnack, J. A. (2013). Chapter 8 – Assessing Social Cognition Using the ACS for WAIS–IV and WMS–IV. In Holdnack, J. A., Drozdick, L. W., Weiss, L.G., & Iverson, G. L.  (Eds.), WAIS-IV, WMS-IV, and ACS (pp. 367-406). Academic Press.

https://doi.org/10.1016/B978-0-12-386934-0.00008-0

 

赤松 信彦(2018). 外国語教授法の変遷. In 赤松 信彦 (Ed.), 英語指導法 理論と実践:21世紀型英語教育の探究(pp.58-85). 英宝社.

 

和田 憲明(2017). 日本の英語教育におけるCommunicative Language Teachingの影響に関する研究. 姫路大学教育学部紀要, 10, 159-172.

http://id.nii.ac.jp/1676/00000076/

 

PAGE TOP