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2022.09.08

社会的会話AIの研究開発から学ぶ「コミュニケーション能力」のあり方 〜早稲田大学GCS研究機構 松山 主任研究員&鈴木 次席研究員インタビュー(後編)〜

社会的会話AIの研究開発から学ぶ「コミュニケーション能力」のあり方 〜早稲田大学GCS研究機構 松山 主任研究員&鈴木 次席研究員インタビュー(後編)〜

早稲田大学GCS研究機構 松山 主任研究員と鈴木 次席研究員への取材記事後編です。

今回は、主に、会話AIを活用することによって英語学習や英語教育にどのような変化が起こるか、という点について紹介します。

 

著者:佐藤 有里

【目次】

 

インタビューだけではなくロールプレイ会話でさらに多面的な能力を測れる

―InteLLAは、これまで技術的な側面について伺うなかで、英語力の判定結果を出すだけではなく、その結果になった理由を説明できるAIシステムであることがわかりました。実際にどのような場面で使うことを想定して開発し始めたのでしょうか?

松山先生:

早稲田大学には、独自の英会話授業プログラム「Tutorial English」(※4)があります。一人のチューターに対して4人の学生という少人数のクラスで、レベルに合った英会話レッスンをする科目です。

コロナ禍で授業はすべてオンラインになったのですが、クラス分けのためのスピーキング・テストを対面でできないことが問題となりました。

世の中で販売されているAIのスピーキング・テストは、ほとんどAIが英語を読み上げることしかできないので、発音や流暢さのレベルはわかるけれども、会話能力とは乖離しているだろうということで、会話の中で能力を判定できる会話AIをつくることになったんです。

 

―クラス分けのためのスピーキング・テストをオンラインでできるようにする、ということですね。プロジェクトは、どこまで進んでいるのでしょうか?

松山先生:

Tutorial Englishの受講者数は年間1万人くらいなのですが、InteLLAを使って約1万人の学生たちを対象にしたスピーキング・テストを一定期間内に終わらせる、ということが現在の第一目標になっています。

来年には実際に大学で使われる予定なので、今年は、数千人の学生を対象にした実証実験でデータをとって、さらにInteLLAの精度を上げることに注力します。判定結果の正確性や説明性、判定結果が学生にとって本当に役に立つのかなど、いろいろな側面からテストとしての妥当性を検証することも大きな目標です。

 

ーInteLLAは、インタビューだけではなく、さまざまな場面設定での会話ができるようになる可能性はあるでしょうか?

松山先生:

今後は、もっとインタラクティブな会話ができるようにしたいと考えています。

例えば、英語で道案内をする、苦情を言う、ディスカッションをするというふうに、AIと一緒にいろいろな状況や役割で会話のロールプレイをすることで、インタビューでは測れない能力を測ろうということですね。

Tutorial Englishで使われている初級レベル、中級レベル、上級レベルの教科書を分析したうえで、CEFRを基準にしながら、どういう会話タスクでどういう特徴を捉えれば能力を推定できそうかという仮説を立てて検証しています。

例えば、初級レベルの学習者の場合は、英語で道案内をしてもらって、「右に曲がって、次は左に曲がって」といった発話そのものを見る。上級レベルの学習者であれば、一緒に協働して意思決定をしたり何かをつくったりするようなタスクで、しかるべきときにしかるべき発話をして議論を先に進められるかを見る、というようなことです。

授業中の会話データをとれば学生の成長を見られるので、何をすればどのような能力が伸びるのか、ということもわかってきます。ゆくゆくは、カリキュラムと密に結びつけて、次はこの単元をやりましょう、という提案もAIができるようになってくると思います。

 

―AIが対応できる会話のテーマは、どれくらい増やすことができるのでしょうか?

松山先生:

我々は、データをとりながらInteLLAの会話スキルを上げる、ということをやっています。インタビューだけではなく、インタラクティブな会話を実現するためのエンジンをつくっているわけです。

対応できる会話のテーマを100個、200個、300個、1,000個というふうに並べていくと、理論上はあらゆる会話についていける会話システムになると思います。

英会話の授業は、買いものとかプレゼンテーションとか、単元ごとに会話のテーマが決まっているので、そのテーマの範囲であれば十分に動くInteLLAシステムを実現できます。

 

会話AIの活用によって英語教育の質を上げることができる

―InteLLAは、英語を学んでいる人にとって、どのように役立つと思われますか?

鈴木先生:

日本の英語学習者は、やはり話す機会が圧倒的に足りないです。イマージョン教育でも中級レベルになるには2,000時間くらい必要だという研究結果(Muñoz, C, 2014)がありますが、日本の義務教育では英語の授業が数百時間しかありません。

AIを使えば、そのような日本の環境であっても、言語能力をトレーニングするための話す機会を提供できます。
また、学習者は、何をどう勉強すればいいか、どんな教材を使えばいいかということも考えなければいけませんが、そこに詳しくなったからといって、英語がうまくなるわけではありません。

ですから、「あなたの弱みはこれだからこれを学習していきましょうね」というふうにAIが勝手に学習方法をパーソナライズしてくれれば、学習者の時間や労力を英語力向上に直結することにフルに使えるようになる、という点でもInteLLAのシステムは良いです。

自己学習のプログラムを充実させていくと、そういうこともできるようになっていくと思っています。

 

―AIは、英語を話す機会を提供してくれるだけではなく、自己学習をサポートしてくれるということですね。では、英語を教えている先生にとっては、どのような価値があるでしょうか?

鈴木先生:

スピーキング力のさまざまな側面を評価するのは時間も労力もかかるので、そこをサポートできます。さらに、生徒が自分の強いところ、弱いところを知って、自分に合った学習を教室の外で自分のペースでやることができるようになれば、先生は教室全体の指導に集中できます。InteLLAは、学校や教員の負担を減らすという面で教育現場に貢献できると感じています。

それから、私はもともと学部生のころから教員を目指していたので、その過程でいろいろなことを考えてきたのですが、言語能力は、語彙や文法を知っているとか発音がうまいということだけではありません。ことばを使ってうまく人間関係をつくれることも必要です。

でも、それらすべてを先生が教えようとしたら、授業の時間も先生の時間も足りません。

ですから、教室の時間は、英語を使ってクラスメートと何かに取り組む環境をつくるとか、思いやりなどの人格形成や思考力の育成など、人間にしか教えられないことにできる限り割いてほしいです。

言語の知識や技能の学習など、AIにまかせられるものはまかせて、英語「教育」として重要なものは先生方におまかせする、というふうにできると、おそらく、英語能力だけではなくて、教育そのものの質も将来的に上がっていくのではないかと思っています。

鈴木先生が会話AIについて説明する様子

 

子ども向けの会話AI開発の可能性

―英語を話す機会がない、学校の授業や先生の時間が限られている、といったことは、小学生や未就学児の英語学習や英語教育でも課題だと思います。InteLLAを子どもが使えるようになる可能性はありますか?

松山先生:

高校生、中学生、小学生、と徐々に学習者の年齢を下げて検証していくプロジェクトは始まりつつありますが、研究開発はまだこれからです。

子どもは声も発話も未成熟ですから、どこかの年齢で音声認識が難しくなるかもしれません。幼児となると、ことばになっていない発話もあると思いますので、どのように実現したらよいかはまだわからないですね。コンテンツや世界観も、子ども向けに違うものをつくらないといけないと思っています。

子ども向けのものはやはりニーズが大きいですし、InteLLAはタブレット端末とウェブブラウザで気軽に使えて導入しやすいと思います。

会話AIの研究者としても非常に興味をもっているので、我々なりの方法で子ども向けの会話AIを表現したいと思っています。

 

ー子ども向けの会話AI開発では、大人向けとは異なる課題がいろいろと出てきそうですね。子どもは大人以上に緊張しやすいと思いますが、AIが相手の緊張をほぐすということはできるのでしょうか?

松山先生:

現状、はじめにスモールトークと呼ばれるような会話から始めるようにつくっています。「天気が悪いですね」とか「髪切った?」とか、そういう話題から少しずつ相手のレベルを探ってから「じゃあインタビューしましょうか」となるわけです。

ただ、私の直感としては、相手の会話スキルや声色、仕草など、いろいろなものが組み合わさっていくと、急に緊張がほぐれる瞬間がくると思っています。どれが効いたかはわからないけど、気がついたら夢中になっていた会話ってあるのではないでしょうか。

そういう会話システムをつくれるのではないかと思っていますが、人間がどうやって緊張をほぐしているのか、という問いでもあるので、どのように実現すればいいかはまだわからないですね。

 

鈴木先生:

能力を引き出してあげること、能力の上限を発揮させてあげることは、テストが能力を正しく測定するうえで重要だと思います。やはり緊張などの情意面はスピーキングに影響を与えるので、緊張などをほぐすような機能をAIに実装できれば、良いテストになるし、学習者にとってもやりやすいテストになるのではないか、と考えています。

 

―では、AIが過去の会話内容を覚えていてくれたりして、何度も会話するうちに親しみを感じるようになる、というようなことは可能になるでしょうか?子どもは、親しみを感じる相手であれば英語を話したいという気持ちになりやすいかもしれません。

松山先生:

会話は、お互いに自己開示をしながら相手を知って人間関係をつくるプロセスでもあります。ですから、InteLLAには当然導入されるべきだと思っています。

私は、もともとラポール(親密感)という人間関係構築の計算モデルをずっと研究してきました。本質的な問いの一つは、なぜ人間が相手であれば切実に話せるのか、なぜAIとの会話には真剣味がないのか、ということです。

人間の場合は、3カ月、1年、10年というふうに何回も会話を繰り返したら、関係が変容していくと思います。当然、相手のことを覚えていって、「この間は〜って言っていたけど、どうだった?」とか、共有体験について言及するような会話も出てきますよね。

私は5分〜10分の会話AIはいままで相当つくってきましたが、こういうふうに積み重なっていく会話をAIでどのように実現すればいいかは未開なんです。

でも、「人間でないことはわかっているんだけど、なぜか真剣に話してしまう」というAIはつくれる気はしています。もし実現すれば、InteLLAと会話を繰り返していくうちに「私のInteLLA」になって、「あなたのInteLLA」と「私のInteLLA」は違う、というふうになると思います。

 

インタラクティブな会話を体験できる世界をAIで表現

―まるで人間と会話している感覚になるAIができれば、単なる会話練習にとどまらない、さまざまな体験ができそうです。会話AIの進化によって、英語学習者はどのような体験ができるようになると思われますか?

松山先生:

英語という母語ではないツールを使うがゆえに最初は不自由だったところから、どういうふうにコミュニケーション能力を身につけて自分の世界を広げられるかということを感じられるといいでよすね。

実は、私自身、英語でコミュニケーションできるようになって世界が本当に広がったんです。早稲田大学出身なのですが、当時Tutorial Englishの授業で、発音や語彙、文法が初級レベルであっても会話を組み立てられることを学んで、「あ、意外と伝わるな」、「英語、話せるかもしれない」と思えるようになりました。

例えば、AAAスキル。質問に答える(Answer)だけではなくて、自分なりの意見を加えて(Add)、相手に質問する(Ask)ことで、「発話」から「会話」というもう一つ上のレベルのスピーキング力になる、ということを繰り返し教えられました。

 

―会話を組み立てる方法を学んだことが自信につながったのですね。そこからどのように人生が変わったのでしょうか?

松山先生:

大学で受けた英語の授業はTutorial Englishだけでしたし、いまも英語がすごくうまいかどうかはわからないのですが、不思議と、その後の人生、英語で困ったことはありません。アメリカでも多国籍のチームで会話AIのプロジェクトをいくつも主導してきましたが、伝えたいことは絶対に伝えられるんです。

ですから、自分がいま持っている個別の能力をうまく組み合わせて会話する、というコミュニケーションの力は、「生きる力」、つまり、人生を切り開く力になると思っています。

これは私個人の意見ですが、発音がうまくなったからといって突然うまく会話できるようになるわけではないと思うので、発音の練習などに特化したAIではなく、持っているスキルを使っていかにうまく会話するかという体験をすることで「話せたじゃん!」と思ってもらえるようなAIをつくれたらおもしろいですよね。

そういう英語教育の一つのモデルを提案することも我々のミッションだと思っています。

 

―もし子どもたちがそのような体験をAIでできれば、日本人の「英会話」に対する考え方も変わっていきそうです。会話AIには、英語学習や英語教育を効率化するだけではなく、さまざまな可能性が秘められていますね。

松山先生:

我々は、技術の開発だけをやっているのではなく、日本のカルチャーの良さもうまく取り入れながら、ホリスティック(全体的・包括的)な体験ができる世界を表現したいと思っています。AIは、人に好んで使ってもらわなければ意味がないので、英語を学ぶだけではなくInteLLAの世界観も一緒に楽しんでもらえるように、AIをセンス良く使いたいですね。

私たちは子どものころにゲームをしたり漫画を読んだりして、結果的にその時代の世界観とか社会規範を学んでいたわけです。もしかしたら、子どもたちがInteLLAの世界でいまの社会の類型みたいなものやインタラクティブな会話の仕方を学ぶかもしれません。そういう意味では、子どもたちにInteLLAの世界で時間を使ってもらうということは、責任も大きいですが、とてもおもしろいと思っています。

会話AIの研究者としては、人間の会話のあり方がどう変わっていくかということに興味があります。コロナ禍では、いままで対面で行われてきた会話がZoomなどのオンラインで行われるようになってきて、今後はVR空間でも行われるかもしれません。会話が起こる場所が変わると、社会や文化が変わります。

社会がどう変化するか、ということは誰もわからないですが、我々はそれを追いかけてどうなるかを観察しているので、研究者としてとてもロマンがありますし、その一端を担っているのはなかなかやりがいがあると思っています。

 

おわりに:コミュニケーション能力とは何か?何を学ぶべきなのか?

全国の中学3年生を対象とした英語スピーキング力の調査結果(国立教育政策研究所, 2019)によると、情報や考えなどを即興でやり取りする力を育てることが英語教育の課題の一つになっています。

外国語活動・外国語科の学習指導要領(小学校〜高校)では、2017年の改訂時に「話すこと [やり取り]」が指導領域に加わりました。即興でやり取りする力は、以下のように定義されています。

 

「『即興で伝え合う』とは、話すための原稿を事前に用意してその内容を覚えたり、話せるようにして練習したりするなどの準備時間を取ることなく、不適切な間を置かずに相手と事実や意見、気持ちなどを伝え合うことである。やり取りを行う際は、相手の発話に応じることが重要であり、それに関連した質問や意見を述べたりして、互いに協力して対話を継続・発展させなければならない。」

(文部科学省, 2017a, p.22)

 

つまり、会話のきっかけを作って話を切り出す、会話の流れに応じて関連する質問をする、会話の流れを変える、などの方法で会話を続ける力を育てることが重要だとされているのです(文部科学省, 2017b)。

「話す力」と聞くと、発音が良い、単語をたくさん知っている、正しい文を組み立てられる、といったことが大切だと感じる人は多いのではないでしょうか。

しかし、CEFRの考え方によると、そのような「linguistic competence(語彙や文法などの知識・技能)」は、コミュニケーション能力の一部であり、「sociolinguistic competence(社会的文脈などを考慮してことばを使える力)」と「pragmatic competence(場面・状況・相手などを考慮してことばを使える力)」も必要です(Council of Europe, 2020)。

私たちが会話する際には、一緒に楽しい時間を過ごす、お互いに相手を知って人間関係をつくる、意見を交換してアイデアをまとめる、協力して問題を解決する、というように、何かしら目的があります。

その目的を果たすためには、いつ、どのような場面・状況で、誰と会話しているのかを考えながら相手のことばを理解し、自分のことばを選び、意見や質問を交えながら会話を組み立てる必要があります。

InteLLAの最も興味深い点は、そのような社会的スキルを持つ会話AI(社会的会話AI)を目指して研究開発が行われており、英語学習者の社会的スキルも評価したり、そのようなスキルが育つような会話体験を提供したりすることが目標となっていることです。

英語の知識や技能が十分でなくても、会話をうまく続けるスキルがコミュニケーション能力を補ってくれる、そのようなスキルが「話す力」として評価してもらえる、ということが実感できる会話体験をAIで提供できれば、より多くの英語学習者が自信をつけることもできます。なぜなら、このような社会的スキルは、普段から日本語でも練習できることであり、すでに自然と身につけている人もいるからです。

また、外国語を使って他者とうまくコミュニケーションできるようになるためには、物事を捉える視点や考え方、思考力・判断力、相手に対する配慮なども重要であることが学習指導要領で明記されています(文部科学省, 2018b)。鈴木研究員のお話にあった通り、AIの活用によって、人間にしか教えられないコミュニケーション能力の側面を育てることに教室の時間を割くことができれば、学校で英語教育を行う意義が高まります。

松山研究員、鈴木研究員のお話によると、話す力とは何か、会話はどのように成り立つか、どのような特徴を根拠に能力を測れるか、ということは、まだ明らかになっていないことがたくさんあります。しかし、InteLLAの研究開発は、これらを明らかにしていくプロセスでもあり、英語学習や英語教育にさまざまな変革を起こすだけではなく、第二言語習得の研究にも大きく貢献することが期待されます。

 

(※4)2002年に早稲田大学で導入された英会話レッスン科目(旧名称:General Tutorial English)。チューター(講師)1名に対し、最大4人1組の少人数制。レッスンはすべて英語で行われ、ペアワークやグループワークを通じて学生のレベルに応じた実践的な英会話力を身につけさせるカリキュラムになっている。

 

【取材協力】

早稲田大学 GCS研究機構 知覚情報システム研究所 松山 洋一 主任研究員(研究院 准教授)

早稲田大学 GCS研究機構 知覚情報システム研究所 松山 洋一 主任研究員(研究院 准教授)

研究ミッションは「社会的知能を有する会話AIメディアの実現」。早稲田大学 基幹理工学研究科 情報理工学専攻 博士後期課程にて博士号(工学)を取得。イタリア工科大学 認知ロボティクス研究室客員研究員、米国カーネギーメロン大学ヒューマン・コンピュータ・インタラクション研究所および言語技術研究所 博士研究員を経て、2019年より現職。さまざまな会話AI産学連携プロジェクトを主導してきた経験を持つ。国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「人と共に進化する次世代人工知能に関する技術開発事業」に採択された「人と共に成長するオンライン語学学習支援AIシステムの開発」の研究代表(2022年度より鈴木研究員と共同代表)。2022年5月2日には、同研究チームを中心に早稲田大学発スタートアップ「株式会社エキュメノポリス」(https://www.equ.ai)が創業され、代表取締役を務める。

 

早稲田大学 GCS研究機構 知覚情報システム研究所 鈴木 駿吾 次席研究員(研究院 講師)

早稲田大学 GCS研究機構 知覚情報システム研究所 鈴木 駿吾 次席研究員(研究院 講師)

専門は、外国語教育、第二言語習得。質の高い発話とは何か、第二言語での発話はタスクの難易度や性質に応じてどのように変わるか、第二言語学習者が流暢に話せるようになるためにはどのような言語知識が必要か、といったテーマで研究を行う。英国ランカスター大学にて博士号(言語学)を取得し、2021年より現職。ランカスター大学 言語学部 客員講師、早稲田大学 文学学術院 非常勤講師も務める。早稲田大学 GCS研究機構の語学学習支援プロジェクト「人と共に成長するオンライン語学学習支援AIシステムの開発」の共同代表を務め、能力判定システムの研究開発チームを率いる。同研究チームが開発した「InteLLA」は2021年に世界最大の教育コンテスト「the QS-Wharton Reimagine Education Award」で表彰されている。早稲田大学発スタートアップ「株式会社エキュメノポリス」のリサーチ・サイエンティスト。

 

<InteLLAの紹介動画>

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参考文献

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https://www.actfl.org/assessment-research-and-development/actfl-assessments/actfl-postsecondary-assessments/oral-proficiency-interview-opi

 

Muñoz, C. (2014). Contrasting effects of starting age and input on the oral performance of foreign language learners. Applied Linguistics, 35(4), 463–482.

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佐伯 真於, 松浦 瑠希, 鈴木 駿吾, 宮城 琴佳, 小林 哲則, 松山 洋一(2021).「InteLLA:適応的な質問戦略を有するスピーキング能力判定会話エージェント」.『人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会(第93回) ―第12回対話システムシンポジウムー』, p.15-20.

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文部科学省(2017a).「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語編」. Retrieved from

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https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11293659/www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/03/__icsFiles/afieldfile/2019/01/15/1402610_1.pdf

 

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