日本の子供たちが、英語を身につけて ミライに羽ばたくために。

2021.05.31

「小学校英語教育+国際理解教育」には子どもたちの態度や価値観、行動を変える力がある 〜東京学芸大学 阿部 准教授インタビュー(後編)〜

「小学校英語教育+国際理解教育」には子どもたちの態度や価値観、行動を変える力がある 〜東京学芸大学 阿部 准教授インタビュー(後編)〜

阿部准教授(東京学芸大学)への取材記事後編です。

【目次】

 

 

「英語教育+国際理解教育」の授業を受けた子どもたちの変化

―そのような授業を受けた児童・生徒には、どのような変化・効果が見られるでしょうか?まずは、英語学習の側面について伺いたいです。

私の授業を受けた子どもたちにインタビュー調査(※5)をしたところ、「小学校の授業で覚えたものを思い出して、中学校の授業内容がすっきり理解できた」という回答がありました。また、この子どもたちは、イギリスに姉妹校があるので、希望すれば行くことができるのですが、実際に行った子は「全部英語で話しかけられたけど、全然苦痛じゃなかった」と言ってくれましたし、「音で慣れていたから文字を見たときにびっくりしなかった」、「英語学習をやっていてよかった」という回答もありました。

ですから、英語の側面としては、子どもたちの中に印象づいているものは、やはり知識とスキルなんですよね。

 

―国際理解の側面はいかがでしょうか?

小学生の頃は、「自分の行動を変えていこう」という意欲の芽生えはあまり見られません。社会に対して何か貢献できる力があるとは思っていないんですよね。でも、同じ子が中学生になったときに変わります。

中学生になると、自分でテーマを設定して定期的に報告書を書く「個人研究」という課題に取り組んだり、フェアトレードやフードバンクの活動に参加したり、東日本大地震や西日本豪雨の被災地のため募金活動をしたりする子が出てきます。

その子たちにインタビューしたところ、「先生の授業で難民の話を聞いたときは、共感の気持ちはあったけれど、自分は何もできないと思った。でも、中学生になったら、いろいろなことができるんだよ」と言っていました。こういうふうに、自分の価値観・態度・行動などが中学校になって変化したとコメントする子が出てきます。

私の授業では、世界の食べものを実際に食べてみたり、少し変わった体験をさせたりするのですが、そのこと自体はただ「楽しかった」経験として記憶されます。でも、「あの体験があったから、何でもやってみようかなと思う」、「チャレンジしても大丈夫だと思う」、という回答もありました。

 

―価値観や態度、行動が変わった、というコメントが多いのですね。

また、英語の授業で国際理解の内容を学ぶことは、「自分が得た知識を伝えていけるからいい」と言う子もいました。それはどういう意味かと思ってもっと深く聞いてみると、知識を伝えることによって、その相手に何らかの影響を与えることができると思っている、ということだったんです。

知識内容を伝える、ということは、“I like〜.”、“My favorite 〜 is 〜.” というように自分のことを伝える自己表現とは質の違う「伝達」ですよね。その子は、何か大切なことを人に伝えて、それがどんどん広まっていく大切さについて話してくれました。

国際理解は、「人間に関することを学ぶ授業」というふうに表現した子もいて、子どもたちが広い視点で国際理解の授業を捉えてくれていることがわかりました。

 

―子どもたちの国際理解に関する振り返り内容は、英語に関する振り返り内容よりも深くて広がりがありますね。

先ほどもお話ししたように、英語に関する振り返りは、知識やスキルに関することが多いんです。

でも、国際理解の授業がいまの自分とどうつながっていると思うか、と聞くと、行動や態度が変わった、多様な視点がもてるようになった、というような回答が出てきたので、国際理解の内容を扱うことで子どもたちにそういう変化が起きるんだな、ということを感じました。

私の調査対象は小学校高学年~中学生でしたが、高校、大学と進むとまた意見が変わるかもしれません。子どもたちのコメントには、発達段階の特徴が出ると思います。

 

より深い学びを目指す国際理解教育

─小学校の英語教育でもプレゼンテーションが取り入れられているようですが、通常の英語の授業だと単に発表して終わりになってしまいますが、国際理解の内容を扱うと、自分が話したことに対して相手がどう思うか、相手の考え方が変わるかどうか、というところまで意識が向かうので、より深い学びになりそうですね。

そうですね。通常の英語の授業では、いくつ文章が言えたかとか、正確に言えたか、ということが評価されますね。

でも、発表活動は、そのプロセスがもっと重要視されなければならないと思っています。発表活動は、クラスメートを相手に発表する、ということが前提になっていますが、教科書には、いろいろな国の子どもたちが出てきますよね。ですから、「この国のこの子に日本の良さを伝えるとしたらどうする?」という発表活動をどんどん入れていったらいいと思います。

つまり、相手意識をもった発表活動にする、ということですね。「この人のためならこういう情報が必要なのでは?」というふうに、本来、自分のもっている知識のどこを切り取って伝えるかは相手次第のはずなんです。

 

─もっと相手意識をもつようにすると、発表活動に対する動機づけもだいぶ違いますよね。

みんな知っていることについて発表し合うとなると、英語にしか目がいかない、ということになります。

でも、普通にコミュニケーションの場を考えても、相手の職業や年齢、好きなものがわかっているかどうかによって、自分が発する内容も違ってきますよね。同じ発表活動であっても、そういう体験をもっとさせるべきだなと思います。

 

―異なる国や文化の人々について知ることは、国際理解につながる一方で、「楽しかった」、「おもしろかった」だけで終わってしまうという課題もあるようです。このような課題を克服するための工夫について、先生のご見解を伺いたいです。

「楽しかった」、「おもしろかった」というのは、ある意味重要です。特にテストがあるわけでも受験があるわけでもない小学校段階では、そういう経験がないと、子どもたちはその先に進まないので、「へぇ!」とおもしろさを感じてもらうことはすごく大事なことです。

そして、その次の段階として、「自分ごとになっているのか」ということが大事です。

例えば、水に関する授業であれば、1リットルのペットボトル、10リットルのバケツを用意して、実際に手を洗わせながら「何リットルの水を使って手を洗っている?」ということを体験させます。この段階では「へえ、そうなんだ」という気づきだけですよね。でもそのあとで、毎日のように水汲みをする子どもたちを紹介したユニセフの映像を見せ、さらに実際にバケツの水を自分で運ばせて、「もしこれを2時間やらなければならなかったら、みんなの一日のスケジュールはどうなると思う?」と考えさせます。

そして、「100リットルの水はどれくらいかな?」とダンボールでその大きさをつくってみると、小学5年生の小さい男の子が一人なんとか入れるくらいの大きさなので、お風呂にはもっとたくさんの水を使っていることがわかります。

この授業では、1リットル(one liter)、2リットル(two liters)というように、1〜100まで数字はすべて英語で言います。

実際にものを見せながらやれば、“Can you guess? How much is it?”(どれくらいの量かな?)というやりとりもできて、数を表現する英語だけで、十分授業が進められます。

こんなふうに、英語はシンプルに、でも内容は深く、という授業を目指しています。

 

―実際に体験することで「自分ごと」として捉えてもらうことが重要ですね。

難民についての話も、「こんなに難民の人たちがいて困っているんだよ」ということを最初に紹介するのではなく、ユニクロが主催していた「難民に服を送ろう」というポスターを見せることから単元を始めました。

難民の人々に寄付するために服を集める活動なのですが、「みんなだったら何を寄付する?」と聞きます。すると、難民の人たちは何に困っているのか知りたくなる。そのために、難民の資料映像を見る。こういうふうに、いかに自分とつなげられるかどうか、いかに自分ごととして体験して考えさせられるかどうかが重要ですね。

レーナ・マリアさん(※6)をビデオで紹介する授業でも、その前に、「みんなは足で文字を書ける?」、「手がなくても口だけで何かを書いて伝えられるかな?」と実際にやらせてみます。その過程で、“Can you 〜?”  ”She can〜.” というやりとりをどんどん言えるようになります。こういうふうに、「楽しかった」だけで終わらないように、自分ごととして考えてもらうための体験をさせる、ということを心がけています。

 

―国際理解教育には、あともう一つ、異なる国や文化の人々について知ることがステレオタイプ的な考え方につながってしまう、という課題もあると思います。この点について工夫されていることはありますか?

これは、さまざまな違いを見せるしかありませんね。

海外のことを取り上げるときにも、「オートラリア」とは言わずに、「オーストラリアのパースでは」と説明することで、「パースとは違う地域はどうなっているのかな?」と考えさせる話を入れるようにしています。

そこで重要になってくるのがauthenticな教材なんです。「この地域のこの家族はね」というふうに、特定の的を絞って話すのが一つのアプローチです。

それから、国内のことであっても、地域内のことであっても、「共通点はあるけれど、これだけ違うところもあるよね」と多様性をちゃんと見せることです。例えば、先ほどの「世界の食卓」の授業であれば、関東と沖縄では食卓にあがる食べ物が違うので、同じ国内であっても多様性があることを見せることができます。

 

―authenticな教材を使って、多様性を見せることが重要ですね。

こういうことは、子どもたちなりに理解するんです。

例えば、「この間聞いたアメリカの話と違うじゃん」とすでにステレオタイプ的な考え方をもってしまう子もいます。

そういうときは、「お互いの顔見てみて?みんな同じ日本人だと思っているかもしれないけど、同じ顔をしているの?違うよね」と話すようにしています。そういう「違い」に自分の身の周りから気づかせてあげないと、学習内容が次に発展していかない、ということはありますね。

ですから、そこには指導技術が必要なのですが、小学校の先生は、他教科同士をつなげてみたり、子どもたちの生活と結びつけてみたりすることは、英語の専科の先生よりもとても上手です。

小学校は全人教育なので、小学校の先生と教室の子どもたちの関係は密接です。どの子が何を好きか、どんな癖があるか、どの子と仲がいい、など、先生たちは全部把握していらっしゃる。そうした先生方の強みが、この「多様性を見せる」際には活きてくると思います。教室内の多様性を見せながら、世界の多様性につなげていくような授業をつくることが可能だと思うんです。

 

「心が柔らかい」小学生のうちから始めることで「土壌」をつくれる

―英語教育と国際理解教育の融合は、小学校の段階から始めるべきでしょうか?

英語教育の観点から言うと、インプット量を確保できる、という意味で開始学年を前倒ししたほうがいい、ということはもちろんあるかと思います。

国際理解教育との融合という観点では、小学校段階は、知識・スキルの習得ではなく、むしろ態度や価値観の土壌をつくる、という意味で重要だと思います。

小学生の子どもたちは、自分と他者を分ける、ということはすでにします。でも、そこに価値の優劣をつける、ということはあまりしません。

例えば、ほかの国の食べものを食べてみる、というときに、もちろん絶対いやという子もいますが、「とりあえず食べてみる」という柔軟な態度は、小学生のほうがあると思います。こういう「心が柔らかい」時期に、さまざまなものにふれる、体験する、ということには、すごく意義があると思っています。

それが外国語の知識やスキルの向上にもつながっていくだろうし、それらを向上させながら、地球市民としての価値観や態度を育むことができる、という点で、外国語教育と国際理解教育を融合させる段階として、小学校は非常に重要だと思っています。

 

―「心が柔らかい」うちに、さまざまなものにふれて体験することが重要なのですね

そうですね。「国際理解の内容は難しいから小学校からやらなくてもいいのでは?」とおっしゃる方もいます。

もちろん、知識・理解というカテゴリーでは、中学生や高校生に教えたほうが深い内容になると思います。でも、小学校段階では、体験を通して態度を育成する、体験を通して価値観に結びつけていく、ということができる、少し大げさかもしれませんが「最後の聖域」だと思っています。

日本では、外国語の授業というと、英語しかやりませんよね。でも、英語はかっこいい、とか、英語ができれば何でもできる、というような価値観は身につけてほしくないわけです。

「外国語って英語だけじゃないんだよ」、「いろいろな国でいろいろなことばが話されていて、こんなにたくさんの違う文化があるけど、そこに優劣はないんだよ」ということが心にすとんと落ちるのは、小学校段階なのかなと思っています。幼稚園でやってもいいくらいです。

 

国際理解教育のために教師や親に求められること

―そのような授業を実現するためには、教師にはどのような考え方や能力が求められるでしょうか?

教師にとって本当に重要なことは、ご自身の価値観を自覚することだと思うんですね。異文化理解や国際理解の観点から、自分がどういう経験をしてきたのか、現在どういう価値観をもっているのか、その価値観はどんな経験から育まれてきたのか、と振り返ることから出発するのがいいと思います。

目指すべき資質というのは、intercultural communication(相互文化コミュニケーション)、intercultural competence(相互文化的能力)など、いろいろな文献で定義されたものがたくさんありますので、それをフレームワークとして活用して、どういう能力が足りないか、ということに気づけたらいいですね。

まずは、自分自身を振り返ることが大切です。例えば、欧州評議会は、AIE(異文化経験に関する自己省察)(※7)という振り返りツールを公開していて、どういう経験をしたか、将来同じ場面に遭遇したとしたらどのように行動を変えるか、その行動変容には何が影響を与えたか、ということを自分で振り返られるようになっています。まずはこういうところから出発する研修もすごく重要かなと思います。

 

―教師は、自分の経験や価値観を振り返ることが重要なのですね。

欧州評議会は、RFCDC(Referebce Framework of Competences for Democratic Culture:民的な文化への能力参照枠)(※8)という指標も出しているのですが、国際理解の能力ととても関連性が高いと思っています。これは4つのフレームワークに分かれています。

一つ目は、Knowledge and critical understanding(体系的な知識と批判的な理解)。得た知識をそのまま飲み込むのではなくて、その知識に対してどういうふうに自分は批評するか、ということも含めた知識とそれを理解する能力です。

それから、Attitudes(態度)、Values(価値観)、Skills(スキル)。
「価値観」と「態度」が、この4つのフレームワークに含まれている、ということは、教員養成でも役立つのかなと思います。

教員養成や研修では、知識を深めていくために、こんな授業をやっています、とか、こんな本もあります、といった紹介もするのですが、まずは、自分の態度や価値観を振り返り、なぜそうなったのかを振り返りながら、目指すべき態度や価値観を考えることが重要です。それがわかると、その価値観や態度を具現化するために必要なスキルは何かまで考えることができます。

例えば、以前は外国人が困っていたときに声をかけずに立ち去ってしまったけれど、ことばが通じないのであれば心配そうな表情をしてあげるだけでもよかったかもしれない、と振り返ることができると、次に同じような場面に遭遇したら、違う行動をとることができるかもしれませんよね。みなさん、異文化を受け止める広い心が大切ということは、頭ではわかっていらっしゃると思いますが、「実際にどうするの?」、「自分はできるの?」ということを知るために、ご自身の態度や価値観を振り返ることが必要なんです。

 

―世界をどのように見るか、ということは、学校教育だけではなく、親の考え方も影響するのではないか、と考えています。国際理解教育において、親が果たせる役割にはどのようなものがあるでしょうか?

「子どもに英語を学ばせたい」という親御さんはたくさんいると思いますが、まず、その理由を振り返ることはすごく重要です。もし、子どもが大人になったときに職業選択の幅が広がる、いい大学に入ることができる、という理由だけだったら、もう少し違う側面を考えてみたほうがいいのではないですか、という声がけをすると思います。

例えば、ピースボートに乗ったことがあって、海外のお友だちが家に遊びに来る、という親御さんだと、そのお子さんは、国際理解の授業をすごく楽しみます。これは、親御さんの態度や家庭環境が影響していますよね。

でも、「英語だけ学びたい」、「国際理解のことはやらないで英会話の授業をしてほしい」という子もいます。そういう子の話を聞いてみると、英語の授業=英会話学校に通うこと(英語がペラペラ話せるようになる訓練をする)、というイメージをもっていて、知識・スキルを鍛えたい、というモチベーションなんです。

このモチベーションは全然悪くありませんが、その先に何を見ているのかな、ということを探ってあげたくなりますね。ですから、親御さんも子どもたちに英語を学ばせているその先に何を見ているのか、ということを考える必要があると思います。

 

―親は「英語を学ぶ先に何を見ているのか」を考えなければいけませんね。

大切なことは、目の前の子どもたちに合っているのか、ということです。外国語のスキルのトレーニングが得意な子もいて、それで自信をつけて、いろいろなことができるようになっていく、というケースもあるので、その子にはそれが合っている。

でも、スキル練習で苦しんでいる子もいるわけですよね。その子たちには、このスキル練習だけの英語の授業でいいのか、ということは親が気づいてあげないといけない。

ですから、目の前の子どもとちゃんと対話をして、英語を学ばせる先に何を見ているのか、ということを、親と子どもで共有するべきだと思うんです。そして、その決定にはご自身の価値観が必ず影響しますから、その価値観を問い直すことから始める必要があります。

 

おわりに:行動変容を目標にした国際理解教育

阿部教授のお話からは、国際理解の内容を日本語で教える場合と英語で教える場合では、重要な違いがある、ということがわかります。それは、「知った」、「理解した」という段階で終わってしまうか、それとも、授業で得た知識・理解を英語で誰かに伝えることができるか、という違いです。

国際理解教育の真の目的は、子どもたちの未来の行動を変えることです。世界中がつながっているいま、一人の人間、一つの国では解決できない問題が数多くあるからこそ、国際理解を推進するためには、異なる言語や文化をもつ人々とコミュニケーションを図ろうとする態度や価値観が必要です。そして、国際理解のために大切な考え方を、国境を越えてさまざまな人々に発信する英語力も欠かせません。

そこに、外国語教育と国際理解教育を融合させる意義があります。さらに、「違い」に優劣をつけない柔軟な心をもっている小学生の段階から、「自分ごと」として体験させることを通じて、態度や価値観、行動変容の土壌を育てる必要があるのです。

小学校の学習指導要領を見てみると、「国際理解」という用語は、総合的な学習の時間や社会科、道徳のほか、外国語活動・外国語にも登場します(文部科学省, 2017a; 2017b; 2017c; 2017d)。つまり、あらゆる教科で国際理解の内容を扱う必要性があることは明らかです。

そもそも英語の授業にさまざまな不安を抱えている小学校教員にとっては、英語の授業の中で国際理解を扱う、という意識をもつことは難しいかもしれません。しかし、「外国語教育と国際理解教育の融合」という考え方をもつことで、自分自身の国際理解に関する態度や価値観、行動を振り返るきっかけになり、子どもたちの態度や価値観、行動を変えられる大きな可能性を秘めていることがわかるでしょう。

そうすれば、「なぜ」小学校で英語を教えるのか、「何を」小学校の英語教育で教えるのか、という問いの答えがいまよりも明確に見えてくるのではないでしょうか。

 

*5: 該当文献:阿部始子(2020).「国際理解教育を取り入れた小学校外国語科の授業:児童の学びの広がりと相互文化的コミュニケーション能力に焦点を当てた実践研究」.『小学校英語教育学会誌』, 20(1), 68-83.

https://doi.org/10.20597/jesjournal.20.01_68

 

*6: スウェーデン出身の女性。出生児から両腕や左足に障害をもつ、という困難を克服しながら、水泳選手やプロの歌手として活躍している。

 

*7: 参照:Council of Europe (2021). Autobiography of Intercultural Encounters. Retrieved from

https://www.coe.int/en/web/autobiography-intercultural-encounters

 

*8: 参照:Council of Europe (2021). Reference Framework of Competence for Democratic Culture. Retrieved from

https://www.coe.int/en/web/reference-framework-of-competences-for-democratic-culture

日本語訳は以下を参照

櫻井省吾 他(2021). 欧州評議会の「民主的な文化への能力と135項目のキーディスクリプター」の邦訳. 「名古屋外国語大学論集」vol.8. 353-367.

 

【取材協力】

阿部 始子 准教授(東京学芸大学 外国語・外国文化研究講座 英語科教育学分野)

東京学芸大学 阿部准教授のお写真

<プロフィール>
専門は、小学校英語教育や国際理解教育など。大学卒業後、中学・高校の英語教師を経てニューヨークに留学。TESOL(Teaching English to Speakers of Other Languages)と幼児教育(バイリンガルの言語発達)を専攻して修士号を取得。現地滞在中に経験した9.11をきっかけに、戦争が起こる世界の中で英語教師としてできることは何かを考え始める。

帰国後、福岡市で小学校英語の教員研修に携わる。2015年度より現職となり、教員養成・研修にも関わるようになる。

週1回の小学校での授業実践をしながら、小学校英語教育に国際理解教育の内容を取り入れるためのカリキュラムや教材の開発をテーマに、質的な授業研究を行う。

NHKテレビ「基礎英語ゼロ」テキスト執筆。Eテレ番組「キソ英語を学んでみたら世界とつながった。」監修。2020年3月にJES journalに掲載されてた論文「国際理解教育を取り入れた小学校外国語科の授業 ―児童の学びの広がりと相互文化的コミュニケーション能力に焦点を当てた実践研究―」は、JES学会賞2020(実践研究)を受賞。

 

■関連記事

「小学校英語教育+国際理解教育」には子どもたちの態度や価値観、行動を変える力がある 〜東京学芸大学 阿部 准教授インタビュー(前編)〜

 

参考文献

文部科学省(2017a).「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 総合的な学習の時間編」. Retrieved from

https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387017_013_1.pdf

 

文部科学省(2017b).「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 社会編」. Retrieved from

https://www.mext.go.jp/content/20201203-mxt_kyoiku01-100002608_3.pdf

 

文部科学省(2017c).「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 特別の教科 道徳編」. Retrieved from

https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387017_012.pdf

 

文部科学省(2017d).「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語活動・外国語編」. Retrieved from

https://www.mext.go.jp/content/20201029-mxt_kyoiku01-100002607_11.pdf

 

 

 

 

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