ワールドファミリーバイリンガルサイエンス研究所

日本の子供たちが、英語を身につけて ミライに羽ばたくために。

2021.01.13

英語は国際活動における「ツール」~日本国内だけでなく世界で活躍するために~

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英語は国際活動における「ツール」~日本国内だけでなく世界で活躍するために~

ワールド・ファミリー バイリンガル サイエンス研究所の所長であり、脳神経外科医・発達脳科学研究者/ドイツ・ハノーバー国際神経科学研究所(INI)脳神経外科 名誉教授として数々の論文や著作を発表してきている大井静雄先生の連載コラムです。

大井先生は神戸大学の学部生時代から日本の医師が国際的に活躍するには英語力が必要であると説き、西日本医科・薬科学生ESS連盟(West Japan Medical Student ESS Association: WJEMA)を設立するなど、日本の医学英語の発展に大きく貢献する活動(大井,2013)をされてきました。

今回は英語を国際活動におけるツールとして使う能力について、お話をお伺いします。

 

10代で世界的に活躍する日本の若者たち

2000年代から、世界的に活躍する10代の方々が話題になっています。少し前なら卓球の福原愛さんやゴルフの石川遼さんを思い浮かべたことと思いますが、彼らの後も、若くして世界的プロフェッショナルとして活躍する方が登場しています。

例えばピアニストの奥井紫麻さん(2004年生まれ)は、8歳でオーケストラと初めて共演し、12歳で世界的指揮者ワレリー・ゲルギエフ指揮マリインスキー歌劇場管弦楽団と共演。9歳から国外での音楽祭に招かれ、ロシア、イギリス、スイス、イタリア、ポーランド、ウクライナ、ラトビア、アルメニア等でのコンサートに出演しています。

あるいはサッカーの久保建英選手(2001年生まれ)。8歳のとき、横浜で開催されたバルセロナ(スペイン)キャンプに参加し、MVPを獲得。小学4年のときにはバルセロナ下部組織(カンテラ)の入団テストに合格して話題になりましたね。現在はリーガ・エスパニョーラ1部ヘタフェに所属し、日本代表MFとして活躍しています。

10代で活躍する方々に共通するのは、幼少期に好きなものに出合い、さらにタイミングを逃さずに、打ち込める環境を親御さんが整えたことといえるでしょう。初めからその道の天才を育てようと思って、環境を用意するのではなく、子どもが興味を持ったから、環境を整えたわけです。

 

自分のフィールドで活躍するために英語をツールとして使う

ただ、彼らのように、早くから世界的に活躍するようにならなかったとしても、「グローバルに活動できる」ことを、これからの社会を生き抜く上での一つのゴールに設定したほうがいいと私は考えています。

それはスポーツ選手や音楽家に限らず、研究者や医師などの専門的な職種はもちろん、あらゆる業種において、素晴らしい発見や業績を残そうとすればするほど、日本社会にだけ普及させればいい時代ではなく、世界に普及させる必要があるからです。

また、ともに働く仲間やライバルは、日本語を話す人だけとは限りません。趣味の世界でも、英語ができたほうがより楽しむことができますし、すでに映画や音楽、ゲームなどエンターテインメント業界では国際化が進み、オンラインでの交流も盛んです。

そうすると求められるのが、自分のフィールドでの国際活動において、英語をツールとして使う能力です。ツールとして使うためには、最終的に各領域の専門用語を用いた表現が必要になります。だからこそ、乳幼児期から脳に英語の回路をつくり、バイリンガル脳を育んでほしいと思っています。

神経科学的・脳科学的に言うならば、「生理学的な言語の獲得時期にある年齢層において英語環境を準備すること」、並びに「子どもが好むキャラクターがいて、楽しく英語のコミュニケーションの練習ができるコンテンツや教材を使うこと」の二点が大事なポイントになります。

 

医師として「専門英語」の必要性を実感

神戸大学の学生時代から、医学英語にはかなりのエネルギーを費やしてきました。医学部ESSの部長として活動したり、神戸大学医学部が中心となって各大学医学部ESSの年次大会の開催を創設するなど、精力的に活動しました。

医学部での教科書はアメリカの臨床留学試験に備え、アメリカで使われているものを使っていました。脳神経外科をアメリカで留学して学ぶには、各大学のインターンを終了したアメリカ人と競わなければなりませんでした。各大学で毎年3人程度の定員に、20人以上の応募者で争う訳です。奮励努力の甲斐もあって1975年にアメリカ・ノースウェスタン大学医学部脳神経外科でレジデントとなり、6年を過ごしました。

臨床では患者さんや他の医師とのコミュニケーションが重要です。適切な診断を行うために時には議論を交わす場面もでてきます。つくづく、世界で活躍するためには、英語が必要なのだ、英語を「ツール」として使えるようにならなければならないと、実感しました。だからこそ私は「医学英語学会」を創設したのです。

結果的に医学英語を極めることは、私が早期英語教育という領域を研究するに至った大きなきっかけとなりました。

そして医学英語があるのであれば、科学英語もある──こうした「専門英語」をそれぞれ普及させていくことが、これからは求められるようになるのではないかと考えています。そして職業人としての国際人を育成するプログラムまで発展させていければと思っています。

 

 

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参考文献

大井静雄(2013).「医学英語論文執筆のすすめ—日本の臨床医学研究の国際競争力—」.Retrieved from

https://doi.org/10.7887/jcns.22.532

 

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